会社を辞めるタイミング。

潔く身を引くか、会社にしがみつくか?

相談

今年52歳になるサラリーマンです。小さい広告会社に勤めているのですが、ここ数年、私がリーダーを勤めるチームの営業成績が振るわず、4期連続で赤字が続いています。新規クライアントの獲得が急務なのは人に言われるまでもないことで、努力も続けているのですが、目処が立っていません。会社には恩があるため、売り上げが伸ばせないなら、せめて私の人件費分でもなくなれば経営がラクになるのでは、と考えてしまう毎日です。このまま行けば、いずれ会社から解雇されてしまうのでしょうが、その前に、潔く自分から辞めるべきでしょうか?

回答

あなたと同じような立場に置かれている会社員の方々は、今きっと全国に何万人もいることと思います。あなたのご相談に応えることで、あなたのバックにいる何万もの人々への応援メッッセージにつながることを期待しながら、回答させていただきます。

結論から申します。退職願を書くのは待ってください。お気持ちはよくわかります。自分が身を引くことで、会社が、部下が守れるものなら、そうしたいと思いますよね。私たちには、武士の時代から脈々と受け継がれている自己犠牲の精神がDNAに組み込まれているのかもしれません。かく言う私も、数年前までは会社員で、あなたと似たような立場に置かれていました。当時の私もあなたとおなじように、自分が辞めることしか解決方法がみつかりませんでした。そして、何度も上の人間に解雇してほしいと迫りました。若かったのでしょうね。それから約1年後、会社の業績が回復しないまま、私は整理解雇されました。ある意味、願いが叶ったわけです。解雇を宣告された日、私はなぜかワクワクしました。本来なら、その後の生活のことなどで不安にならなければ可笑しいはずなのに、爽快感しかありませんでした。大企業ではないので退職金など一銭もありません。翌月から収入が無くなるのだから心配で眠れなくなって当然です。それよりも、私は、会社に行く義務が消えたことに嬉々としていたのです。数年後、私は気付きました。私が会社を辞めたいと思ったのは、部下や会社のためではなく、仕事に関係したさまざまなしがらみ、人間関係から解放されたかったためだと。人件費削減による収支改善など、そのための方便に過ぎなかったことを。

これは、あくまで私の個人的な経験です。そのままあなたに当てはめるつもりはありません。しかし、本当にあなたは、会社を守る、部下を守るという純粋な大義名分だけで退職を決意しているかを胸に手を当てて考えてみてください。その決意の裏に、何かから逃げたいという思いが1ミリでもあるのなら、辞めてはいけません。何かから逃げることの隠れ蓑に、会社を守るからという理由を使うと、結果的にあなた自身も、会社も守れないことになります。あなたは逃げきれません。なぜなら逃げるからです。逃げれば逃げるほど、それは追いかけてきます。一方、会社にとっては、あなた一人の人件費など、あなたが考えているほど深刻な経費ではありません。もし本気で人件費を減らしたいなら、何段階かのステップを踏みながら実行に移しているはずです。

もう一度言います。早まってはいけません。自分が身を引いたほうがいいという気持ちをじっと堪えて、明日も明後日も会社へ行ってください。ここで踏む絵をだします。この回答を読み、あなたはどう感じましたか? 今の会社を辞めずに居続けなければならないのは、精神的に負担だと感じたら、あなたは単に何かから逃げたかっただけです。そうか、自分はこのまま会社に居てもいいんだと、明日から会社に行くことが特段負担に感じなかったら、あなたは純粋に会社のためを思って退職を決意されたのです。さぁ、あなたはどちらですか?

最後に、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。先に、逃げようとしても逃げきれない、という話をしました。逆にいうと、逃げずに向き合えば、相手のほうから逃げていくのです。これは口で言うのは簡単ですが、なかなか難しいことです。でも、運命だと思って諦めるしかないのです。あなたは、これからも今の会社で仕事を続けます。重圧かもしれません。しかし、ある日、あなたは解放されるでしょう。あなたからではなく、会社からあなたへリストラが告げられたら、そのサインです。思いがけなく、意に反して会社から解雇されたら、それは卒業の印です。困難を見事に乗り切ったご褒美です。このとき、あなたは真の解放感を感じるでしょう。潔く散るのは確かに、格好いい。会社に居続けるのは格好悪い。一見そうかもしれません。けれど、一見格好悪いことのほうが本当は格好いいことが、この世にはどうもあるようなのです。

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